2年くらい前に「公爵家の籠の鳥」を読んでから手に取っていなかったロレイン・ヒース。(けっこう分厚いヒストリカルなので、読むのにも気合がいるんです)
夏休み、たまたま書店で新刊が目に留まって、購入してしまいました。
「路地裏の伯爵令嬢」
「公爵家の籠の鳥」でスタートした、トゥルーラヴ一家のお話の続編です。
★★★★☆
「路地裏の伯爵令嬢」
作:ロレイン・ヒース 訳:さとう史緒
(ハーレクインMIRA文庫)
【あらすじ】
許嫁との結婚式から逃げ出して、修道院に身を寄せ、貧民街に売られた子どもを救うという仕事をしているヒロイン。貧民街で殺されそうになったところを助けてくれたのは、身分違いだった初恋の男性で…
【感想】
トゥルーラヴ一家のシリーズは愛人などのあいだにできた訳ありの子どもを貧民街に売ってしまうという、昔実際にあった人身売買の闇をテーマにしているのだそう。
今回のヒロインは伯爵令嬢としての暮らし、許嫁の公爵との結婚、すべてをなげうって貧民街に捨てられた子どもを救い出す仕事に命をかけていて、それは何故なのか…というお話です。
王道のヒストリカルとはあえて真逆を走るのがロレイン・ヒースの魅力。
突飛な設定ですが、貧民街に捨てられたヒーローとの身分違いの恋、そしてシークレット・ベビーを絡めて、ぐいぐい読ませます。さすが!
ロレイン・ヒースの小説って、舞台が貴族社会から飛び出して、ありきたりじゃないヒストリカルの第一人者、だと思うんです。ただ、設定やストーリーに描写がとられるせいなのか、やや人物の心理描写が薄く感じられてしまうところがあって、最近少し離れていたのでした。
でも、「路地裏の伯爵令嬢」はヒーローとヒロインが惹かれあって求め合ってエンド、じゃなくて、再会愛。しかもシークレット・ベビーがいて。
終盤は、リンダ・ハワードの「悲しみにさようなら」を思い出したりも。
悲しい愛の選択、ぐっときてしまいました。
▼ちなみに1作目はこちら
▼2作目がこちらです
>>こちらの記事の下の方で紹介してます