わたしが、真剣に離婚を考えていたのは10年くらい前のことです。
事情は割愛しますが、離婚って結婚の何倍も大変って言いますよね。
うちも夫が首を縦に振らなくて、家族で車に乗って出かけるときに、「このまま事故にあって、どうにかして運転席の夫だけ死んでくれないかなあ」と思った記憶があります。病んでる。
でもまあ、いまも夫婦です。
一度きりの人生ですもの。離婚、したいならするのがいいと思うんです。
でも、現実には子どものことを考えて、経済的な事情で、悩む人が多いと思う。
わたしもそうでした。
離婚について真剣に悩んでいるときって、なかなか相談できる相手がいないんですよ。
親には心配かけたくないし。子どもにはつらい顔見せたくないし。
銀座の母とかいわれる、占い師さんい会いに行こうかって真剣に思うくらい。
で。
うそでしょって思うかもしれないけど。
そんなときに出会ったのがハーレクイン・ロマンス。
ヒマつぶしと思ってハーレクインを読んだら、愛というかパートナーシップについて、ものすごく、大切なことに気がついたように思うんです。
ハーレクインって、大富豪との恋愛小説? 玉の輿がテーマ?
「ハーレクインにはまってるんだ!」っていうと、「それって何?」って聞かれることがあります。一言で「メイドさんがお金持ちと恋に落ちて…とかのシンデレラストーリーよ」とか、「えーと韓流ドラマの小説版みたいな?」って答えています。
実際、ハーレクインのタイトルに頻出する「大富豪」とか「億万長者」なんて単語、ハーレクイン以外では聞かないよ。
それでね。
わたしの中の3~4割くらいは、そういうシンデレラストーリーを楽しんでいます。その昔、毎週欠かさず時代劇の水戸黄門を観ていた父のように、お約束の展開に飽きずに夢中。
でも、あるとき気が付いたんです。
ハーレクインのヒーローにお金持ちが多いわけ。それはね、やつらが意外とダメ男だからなの。頑固で思い込みが激しかったりして、ヒロインの話を聞かずに浮気をされたと勘違いしたあげく、冷たい態度で見下してみたり、嫉妬に駆られて一方的に別れを告げてみたり、するんです。
はっきり言って、いけてない。ハンサムなお金持ちでもないと、ロマンスとして楽しめない。耐え忍ぶだけの「おしん」になっちゃう。
だからハーレクインは一見、社会的に成功していて、お金持ちな男性との恋愛小説・コミックという分類。でも、本当のテーマは別にある、と思っています。読むとわかる。
離婚を考えていたわたしに、ハーレクイン・ロマンスが教えてくれたこと
一言でいうと、許すこと。だと思う。
決して、今つらいを思いをしている人に、「妻なら許してあげなさい、我慢しなさい」って言うのではありません。
許したいけど、許せなくて苦しんでいる人に、許していいのか迷っている人に、人ってだれでも間違ったりするから、愛情があるなら、一度は許していいんだよ。っていうのに近いです。
相手の浮気に限らず、ケンカとか、すれ違いとか、義家族とのトラブルとか、離婚を考える理由は人それぞれだと思いますが。
なんにせよ、許すって勇気がいることだと思う。
だって、また傷つけられたら、これ以上裏切られたらって思うもの。
特にね、30~40代だと、友達に相談したらそれは離婚でしょ!って言われることの方が多かったりするかもしれない。自由に生きてきた世代ですもの。耐え忍ぶとかないでしょ。それはそれで一理あって。
でも、ハーレクインのヒロインたちは、許すんだよね~。
えっ、そんな簡単に許しちゃっていいの?って思うくらい。
でも、許すことで自分の心がラクになることもあると思うのです。
迷っているときの心の処方箋にお試しください。ロマンスを1冊。
えっそんなに簡単に許しちゃうの?なロマンスたち
「魔法が解けた朝に」 麻生歩/ジュリア・ジェイムズ
昔フレンドを読んでいた40代は懐かしいかも!の麻生歩さん。絵に好き嫌いがある作家さんだと思うんですけど、鬼ロマ系のハーレクインとは相性バツグン!
個人的なお気に入り「魔法が解けた朝に」は原作ジュリア・ジェイムズの力も感じる良質ロマンス。美人で気立てがいいけどおつむは軽いと(思い込んで)ヒロインを利用したヒーローも、根はいいひと。ヒロインの本当の姿を知るラストにすっきりします。
「アテネから来た暴君」桜屋 響/ ジュリア・ジェイムズ
あっこれも原作ジュリア・ジェイムズかー!桜屋 響さんの美しい絵を堪能ください。そして最後にひたすら反省するヒーローに、こっちのヒロインはむっちゃ反撃します。痛快!
「置き去りの花嫁」 秋元奈美/キャット・キャントレル
これもロマンスでは定番の設定(花嫁だけでなく、置き去りの花婿もあちこちに)。
置き去りにされた後で必死で仕事を頑張って成功を収めたヒロインが、ヒーローと再会してグラグラゆれちゃう姿、もーけなげで感情移入しちゃいます。子どものころ『なかよし』で愛読していた秋元奈美さんの絵、30年以上たっても好み♡
「情熱は罪」ペニー・ジョーダン
血のつながらない義兄との恋、記憶喪失、シークレットベビーと属性盛りだくさん。
ヒーローが自分の子どもだと知るシーンも王道の展開で、鬼ロマハーレクインのテンプレート的な1冊! ときどき思い出してつい読んじゃう。
「誘惑の湖」リンダ・ハワード
読んでいてちょっとムカつくくらい冷酷なヒーローが登場するリンダ・ハワードの初期作品。幼馴染と結婚直後に死別した未亡人ヒロインを犯罪に加担しているのではないかと疑って近づくんです。いい男だけど、許せん。真実を知ったヒロイン、よく許したよなあと感心しちゃいます。
とはいえ何度も再販されているだけあって、産業スパイものとしても、一匹狼的なヒーローが純真なヒロインを疑いながら恋に落ちる様子にもハラハラしながら一気読みです。
関連作品「ダンカンの花嫁」もおすすめ♪
「ダークスーツを着た悪魔」 サラ・モーガン
ヒロインのことを最初からバカにしきってるヒーロー、ひどいのよ。ひどいんだけど、実は仕事ができるぞ、気がきくぞ、かわいいぞ…あれ、あれ?ってヒロインの魅力に気がついていきます。「ダークスーツを着た悪魔」ってタイトル、秀逸だわあ、と本棚を見るたびいつも思う。
*表紙画像は電子書籍サイトRenta!にリンクしています。無料で立ち読みできますよ~。
わたしが Renta! で読む理由>>
電子書籍はどこで読む?某サービス改悪を機に考える、電子書籍サイト選びはホントに大切。
ちなみに包容力のある大人ヒーロー&問題を抱えているヒロインといったパターンもあります。←大好物です!^^