最近、仕事の同僚なんかにも「趣味はハーレクインを読むこと!」なんてサラッとカミングアウト(笑)できるわたしです。
ええ、最初はちょっと勇気がいりました。
ハーレクインって昼ドラみたいなあれ? ちょっとエッチなやつでしょ?
みたいな印象じゃないですか?
今では便利すぎて手放せない電子書籍ライフですけど、もともと本屋さんや紙の本が好き。
ハーレクインだって本で買いたいけれど、「あの表紙とタイトル…レジに持っていくのは恥ずかしいわー」と真剣に悩んだあげくの電子書籍デビューだったくらいです。
大好きな作家さんのこの本とかさ…ディスりたいわけじゃないけど
家で一人で読むならステキ♡と思っても本屋さんで買うのはちょっとハードルが高かかった…。(今は平気です)
で、なぜ今はなぜ平気かというと…。「ハーレクインってそもそもどんなもの?」という部分からスタートする気がします。
ハーレクインって、何?
ハーレクインといえば、カナダ発・欧米の女性たちのためのロマンス小説。日本に上陸して2019年で40周年になるそうです!(コミック版もありますよ)
わたしがアラフォーでハーレクインに手を出したきっかけは、とっても軽いものでした。もともと本好き&少女漫画好きだったので、「育児の合間にパパッと恋愛ものを読みたい」「でも、さすがに少女漫画はしっくりこなくなってきた…」「ハーレクインってどうなのかしら」という感じ。
ひと昔前に流行った、韓流ドラマに手をだすようなノリ、というのが近いかな。
はじめて読んだハーレクインの印象は?
でも、本屋さんでロマンス小説の棚をチェックしてみても、どれを選んでいいかわからない。聞いたことのない作家名がずらり、同じようなタイトルがずらりですもの、困りました。
そんなときに電子書籍サイトRenta!の無料作品にラインナップしていたハーレクインを発見!
- リングレアム「ひと夏のシンデレラ」&「ナポリから来た恋人」
- リンダ・ハワード「流れ星に祈って」
だったと思います。いま思うと豪華!
リングレアムの「ひと夏のシンデレラ」&「ナポリから来た恋人」はどちらも大富豪との恋が描かれているんですが、これがハーレクインのお約束その1「萌えテーマ」
設定・シチュエーション萌え♡
ハーレクインって、定番の設定というか、テーマがあるんです。テーマごとにピックアップしたコミックが立ち読みできる無料版もあって、それを読むと定番がひととり網羅できます。
たとえば
- 億万長者ヒーロー
- ドクターとの恋
- シークレット・ベビー
- 記憶喪失
- 秘書ヒロイン
などなど。
この独特のカテゴライズって日本独自のものなのかなー。上手!
あほらしいと思いつつも、萌えちゃうというか、思わず読んじゃう。
そして、ハーレクインコミックスって薄くて1冊160ページくらいなんですが、立ち読みが気前良くてどーんと50ページくらい読めるんです。これも上手だなあと思います。
電子書籍で購入することになんとなーくハードルを感じていた当時ですが、50ページくらい読んじゃうと続きが気になって気になって…。最初のころは、コミックの立ち読み→原作小説を立ち読み→ポチっと購入。というパターンが多かったです。
ホット・シーンにドキドキ
そしてハーレクインと言えばもちろん大人の恋ですもの。ちょっとセクシーなシーンもあります。(キスまでという清純な作品もありますよ)
ハーレクインといえば、非現実的なほどかっこいいヒーローが、歯の浮くような愛の台詞を吐く、と言われることもあるみたいですけど、ま、そのとおりです。
あとは避妊に気を遣ってくれる。あるいは子どもができたかもしれないから結婚しよう、となる。そしてええと、大人の表現ですがレディ・ファースト。つまり、女性の体を気遣ってくれるのがハーレクインのヒーローのすてきなところ。これがお約束その2かしらと思います。
↓こちらはちょっと刺激的な作品を集めたアンソロジー。人気作家ローリー・フォスターもラインナップ♡
永遠のハッピーエンド
そして、ハーレクインのお約束その3が、ハッピーエンド。
億万長者ともしシークとも、王子様とだって結ばれます。
(結婚します&妊娠します、という展開があまりに多くて、ちょっと安直すぎると感じられることもあるほどですが…)
それでいいと思うんです。
ハーレクインの読者層って、子育てに仕事に介護に、自分の時間がない人が多いんじゃないかな。必要なのは息抜き。ほっとするものが読みたいんです。
ハーレクインって、いわば「大人のためのおとぎ話」なのかなって思います。
ハーレクインの本当の魅力とは?
でもね。
ハーレクインにはまって、いろいろな本を読んで、気がついたことがあるんです。
夢物語のような設定や、ハッピーエンドって、実は、ハーレクインの本当の魅力を描くための要素でしかないということ。
その魅力こそが、ハーレクインが長年世界中で愛されている理由だということ。
それは…
トラウマ・コンプレックス…心の傷を乗り越える
ハーレクインのヒーロー&ヒロインって、実はトラウマやコンプレックスを持っていることが多いです。
ヒーローは、お金はあるものの親に愛されなかった、あるいは、親に捨てられ、貧しさの中から這い上がったという設定が多いかも。そんなヒーローの傲慢さは手負いの獣が吠えるようなもの。その傷を、ヒロインが海より広い愛でいやしていくのが見どころなんです。
ヒロインも、姉や妹にくらべ容姿や学力が劣っていた、家族の愛に恵まれなかった、過去の恋人にひどく裏切られたとか、コンプレックスを抱いていることが多いです。ヒーローがそんなヒロインの魅力をみつけ、引き出してあげるという展開も多いかなと思います。
これぞ、玉の輿以上のシンデレラ展開。トキメキますよ♡
誤解やすれ違い…過去を乗り越える
そして、ヒーロー&ヒロインの恋愛には、誤解やすれ違いがつきもの。
浮気をしたと勘違いをしたり。ヒーローがヒロインを性悪女と誤解したりして一度は別れてしまうけれど、でも、どうしても惹かれあう2人。いつしか誤解がとけて…という展開も定番です。
大人になると、だれもが1つや2つは持っているものですよね。
「あのときああしていれば」という気持ち。
荒唐無稽なハッピーエンド・ストーリ―に見えるかもしれないけれど、「人は失敗やすれ違いを乗り越えてやり直す力を持っている」というメッセージも強いと思います。
↓こちらは「言えない秘密」がテーマの名作セレクション。
不完全な、そのままのあなたを愛するということ
ハーレクインのヒーローって、社長だったり王族だったり社会的にはとても成功して地位のある人が多いけれど、嫉妬のあまりヒロインを責めちゃったり、子どものころ愛情に恵まれなかったばかりに、素直に愛を認められなかったり、はっきりいって人格にはやや難があることも多いです。そのせいでヒロインがつらい思いをすることも。
でも、たとえ誤解していてもヒーローはヒロインを求めるし、つらい仕打ちをされてもヒロインはヒーローを嫌いになれないんですよね。
あなたがやさしいから、賢いから、いい人だから愛するんではないんです。
愛って無償で注ぐもの、注がれるものなんですね。
子育てをしていると、わりと自然とそう思えるんですけど。
なぜか夫をここまで深く愛するのって難しいと思いませんか。
そもそも夫はわたしを無償で愛してくれているんだろうか、って思うし。
このことに気がついたとき、あまり夫とうまくいっていないだけに何気に、胸に響きました。
↓無条件の愛といえばこの方、ロマンスの女王リンダ・ハワードの初期の人気作
ハーレクインは大人のおとぎ話
最初に書いたように、ハーレクインって昼ドラみたいなあれ? ちょっとエッチなやつでしょ? そんな先入観が、最初はわたしにもありました。
でも、今は「そうそう、昼ドラよりすごい展開、楽しいよ!」って思うし「ちょっとエッチなシーンもドキドキしていいよね」って思います。
燃え上って避妊を忘れちゃってどうしようとか、大事だし、TLにも取り入れたらいんじゃない?って思うくらい。
私がハーレクインを読むようになる前に、印象に残っているエピソードがあって。
アメリカにハリケーンカトリーナが上陸した際、ある有名なロマンス作家が避難生活をすることになって、ツイッターかなにかで、「私は大丈夫よ、ロマンス小説を1冊持ってきたし、乗り越えられるわ」というようなことを言ったという記事を読んだんです。
昔のことで、うろ覚えなんですが。
当時はぜんぜんピンときませんでした。「風と共に去りぬ」ならまだしも、ペーパーバックのロマンス小説がそんなに支えになる?と不思議でした。
でも、いまならちょっと分かる気がします。
おいしいチョコレートみたいに、よいロマンスは心の栄養になってくれますよ。なぜなら、そこには愛が描かれているから。
気になる方はぜひ、読んでみてくださいね。