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大好き♡ ベティ・ニールズ おすすめランキング!クラシックでほっとするロマンスがたくさん

ハーレクインを読み始める前から、なんとなく名前だけは知っていたロマンス作家といえば、の「ベティ・ニールズ」
2001年に亡くなってからも再販が続いていて、人気の高さがうかがえます。

作風は穏やかで、上品。
年上の裕福なドクターと心やさしい看護師の恋、というのが水戸黄門的な定番のスタイルです。
ほんの少し設定は違えど、本当に毎回基本はおんなじ。
それなのにこばとは読んだことのないタイトルを見つけると、迷わず読んでしまいます。

…なぜなんだろう、本当に不思議な魅力のある作家さんであり、作品なんですね。

2019年中盤まで、ハーレクイン・ライブラリのセールにラインナップすることも多かったので、今年はかなりたくさんのベティ作品を読んだ気がします。その中で、こばとのおすすめベティ・ニールズはこちら!

ワンパターンなんのその!
ベティ・ニールズ こばとのベスト3

赤毛のアデレイド ★★★★★
赤毛のアデレイド

赤毛のアデレイド

“看護師として働いたのち、「赤毛のアデレイド」で作家活動に入った”とベティの紹介文にあげられることも多いデビュー作です。

ところで出版されたベティの作品は全部で100以上(!)もあるそうで、私はその中の20~30作品くらいは読んだのかしら…と思うのですが、とにかくワンパターンなので(ベティに限っては、ワンパターンがイヤじゃないのが自分でも不思議)正直、表紙を見ただけでは以前に読んだかどうか思い出せない作品も、多々あります。電子書籍と本と重複購入してしまうこともあったりして。

で、わりと最近「赤毛のアデレイド」を読んで思ったこと。
ベティ・ニールズを1冊読むなら、これ!というくらいの完成度です。

包容力のあってお金持ち(実はオランダの男爵!)の小児科医ファン・エッセン教授と、姉弟の学費を仕送りするしっかり者の看護師アデレイド。
教授を結婚相手として狙っている金持ちのお嬢さんがアデレイドにちくっと意地悪をするのもお約束。
ヒーロー&ヒロインの勤務先が小児科なので、赤ちゃんや子どもとのやりとりも暖かくっていいかんじ。ときに息を力を合わせて急患の治療にあたったりして、物語は生き生きとすすみます。

…ほんとに、デビュー作にして作風が完成しています。
「赤毛のアデレイド」を読んで、ベティはあえてロマンス作家としてワンパターンをつら抜いたのね、と思いました。ベティ・ニールズの底力を感じる1冊です。

最近ハーレクイン・イマージュからベティ・ニールズ選集としても刊行されているのですが…Renta!で読むなら少し古い発行年度のこちらのほうが100円安いです。さすが、電子書籍界の古株Renta! 表紙がちがうだけで、中身はおんなじですよ。
薬指にこめた祈り ★★★★★
薬指にこめた祈り

薬指にこめた祈り

こばとの中ではロマンスベスト5に入る「薬指にこめた祈り」。はじめて読んだベティ作品だからとりわけ新鮮で、大好きなのかも…と今になっては思います。
でも、でもね。
ワンパターンなベティ作品のなかでも、ときにはヒロインがほんのちょーっと意固地に思えたり、ヒーローの魅力が分かりにくかったりするものもあるんですよね。
その点、「薬指にこめた祈り」はヒーロー&ヒロインの魅力や、愛が深まっていく過程がしっかり描かれているなーと、やっぱり思うんです。

なぜだろう?って考えてみたのですが、二人の出会いから描いてプロポーズまででハッピーエンドというベティ作品も多いなか、同じ病棟で働く上司と部下という設定で、気心が知れた関係から物語がスタートするから、その分二人が愛を深めていく描写にたっぷりページがさかれているのかなと思います。

身寄りのないおばあさんをヒーローのフーゴがさりげなく助けているのをヒロインが手伝ったり、新婚旅行先でサラが見つめていた食器をフーゴがこっそり買ってプレゼントしたり…こまやかなエピソードがほんとうにたくさん書き込まれていて、どれもすてきなんです♡

クライマックスで離婚を覚悟して家を出たサラを大雪のなか追いかけてくるフーゴ。二人の再開のシーンもgood!さらにそこでまずフーゴを眠らせて、その間に食事を作るサラもすてき。そりゃヒーローもぐいぐい結婚に持ち込むよ、という本当にステキなヒロインでした。

 

湖の秘密 ★★★★★
湖の秘密

湖の秘密

一度読んでそれきりになるベティ作品もあるんですが、「湖の秘密」はなぜだか何度も読み返してしまう1冊。
医師で教授のヒーロー、リトリックには病気で余命わずかの娘、リサがいて、その少女が「やさしくてきれいなママが欲しい」と乞われて、看護師のヒロイン、フランに便宜的な結婚を持ちかける…というお話です。

ヒロインは、看護学生のときにヒーローの講義で居眠りしてしまったところを注意されて、最初ちょっとヒーローが苦手なんです。それがいいアクセントになっているのかも。リサとフランはあっという間に仲良くなるのに、リトリックとフランの中はなかなか進展しません。そんな二人の関係にやきもきするのもお楽しみ♡

病弱な少女リサと、彼女の残り少ない毎日を楽しいものにしてあげたいと願うフランとの交流がしっかり描かれているのも魅力のひとつです。たまたまドライブに出かけた先で見つけた湖を二人だけの秘密にして、何度も訪れるシーンは、バーネットの秘密の花園にも通じる雰囲気がある気がします。(ストーリーも登場人物も、ぜんぜん似てないですが。)

ヒーローとヒロインの恋愛ストーリーでもあり、家族の話でもあるというのも、面白さの理由なのかも。

リサの死をきっかけに、ヒロインがヒーローの孤独を知って、いつしか愛してしまう。そして思いがけずその気持ちをヒーローに知られてしまうシーンもよかった。ベティの作品って、最後ちょっと唐突に両想いになって終わるパターンが多いんですが、これは二人がお互いの気持ちを確かめあうラストシーンへの流れが自然だったのも◎でした。

ベティのイメージにぴったり!なコミックはどれ?

デートのときに気の利いた食事のメニューを選んでくれたヒーローに「ステキだわ」となったり、お金をかけずにおしゃれをするために、手持ちの洋服にプラスする新しいアイテムを考えたり…という、ハーレクインいしてはおとなしい描写が持ち味のベティ・ニールズ。

正直マンガ化しやすい作家さんではない気もしますが、それでも何人もの作家さんがコミック版を手掛けています。

ベティ・ニールズのデビュー作「赤毛のアデレイド」をコミカライズしたのは、花とゆめやメロディで活躍してきたベテラン作家の山口美由紀さん。ヒロインは愛らしく、ヒーローはカッコイイ♡ 安定の一言です!!

赤毛のアデレイド

赤毛のアデレイド

そしてもはやハーレクイン・コミックの女王といってもいいですよね、さちみりほさん。
ぽっちゃりだけど真面目で愛おしいヒロインを果敢に描ききっています、さすが!!
姉弟の面倒にあけくれているやさしい娘さんが幸せをつかみますよ、ほっこり♡

雨上がりの告白

雨上がりの告白

クラシックなベティ作品を現代的にコミカライズしたのは花津美子さん♪
双子の妹と入れ替わった看護師ヒロイン。雇い主のオランダ人医師ヒーローにはすぐに別人と見抜かれて…というハーレクインあるある設定がたまりません♡ 絵が整っていてコマ割りも今っぽいので読みやすさも◎です。

薔薇のウエディングベル

薔薇のウエディングベル

他、人気作家さんも本当に多数ベティ作品のコミカライズを手がけているんですが、こばとが印象に残っているのは、牧あけみさん。

「クラシック・ラブ」は、両親を亡くしたときに自分を引き取ってくれた叔母の面倒を献身的にみるペーシェンスがヒロイン。生活費のためにもともと住んでいた家を貸し出して、さらにその家にお手伝いとして雇われます。雇い主は執筆の仕事のために滞在するオランダ人医師ユリウス。しっかりもののペーシェンスが普段はユリウスの仕事を支え、緊急時にはユリウスがペーシェンスを支えながら愛をはぐくんでいきます♡

クラシック・ラブ

クラシック・ラブ

時代を超えて読み継がれるロマンス小説をたくさん残したベティ・ニールズですが、結婚したら仕事をやめてお小遣いをもらって暮らすのが幸せ…など、正直読んでいて時代遅れと感じる描写もちらほら。こばとは1910年生まれのベティには当たり前の恋愛観だったのだろうなと割り切って読んでいますが、そのあたりが気になる方にも、日本の漫画家さんたちが手掛けるコミック版はおすすめかも。さすがにうまーくアレンジされていることが多いです。

まだまだあります!
ベティ・ニールズ作品これ読んだ?

2001年に亡くなってから未邦訳作品も続々と刊行されたベティ・ニールズ作品。見かけたら迷わずポチッとしてしまうのですが、紙の本で読んだのか、電子書籍で読んだのか把握しきれなくて重複して購入してしまうこともしばしば…。読了(再読含め)したベティ作品を感想とともにストックしていきたいと思います。★は個人の感想です!

せつない秋 ★★★★☆

医師の恋人に浮気されて、勤めていた病院を辞めて田舎に転職した看護師ヒロイン。新しい仕事は、旅先で病気になってしまった男爵未亡人の看護です。
ところが、目的地に到着する直前に運転していた車がガス欠に。そこに通りかかったのが、粗野な雰囲気のヒーロー。農夫か漁師かといった服装のヒーローは、田舎にくるのにおしゃれをして、立ち往生しているヒロインを小馬鹿にしたような雰囲気で、お互いに印象最悪。という出会いからスタートします。

でも、このヒーロー、本当は男爵未亡人の長男(つまり男爵)で、誠実なお医者様なんです。
髭を剃ってスーツに着替えてこざっぱりして再会。少女マンガ的な展開でときめきます(笑)

ヒロインとともに、地元の妊婦さんを助けるシーンも印象的でした。
緊急で帝王切開をするというシーンで、ヒロインが輸血用の血液が入った瓶を落としてダメにしてしまうのですが、冷静に「君がRH+のO型ならいいんだが」と一言。ヒロインがら輸血をして事なきをえます。「責められるかと思った」というヒロインに「手伝いにきてくれなければどっちみち、母親も赤ん坊も助からなかったんだから、責めるわけがないだろう」と。

ベティの作品は派手さはないけれど、こういうエピソードでヒロインやヒーローの人柄を描くのがうまい!と思います。
そして後半、医師の元恋人が登場して波乱があるのですが、嫉妬して荒れるヒーローもベティには珍しく、それもまたよし、でした。
ときどき読み返したいなという1冊。

赤いばらは君に ★★★☆☆

婚約者とケンカをして、仲直りの花束を贈るために花屋さんを訪れたオランダ人医師のヒーローと、花屋の店員さんヒロインというカップリング。ヒロインが看護師さんでないのはちょっと新鮮。
ヒロインから「赤い薔薇にします?」と言われて「とんでもない」と答えちゃったりして(赤いばらの花言葉は愛)いじわるな婚約者を愛してもいないヒーローにイマイチ魅力を感じなかったり、ヒーローの愛をなかなか信じられないうじうじヒロインにやきもきしながら読了。ハーレクインライブラリの96円セールで購入、再読はなしかな?

咲かない薔薇 ★★★★★

「赤いばらは君に」を読んだ後で、たしか薔薇がタイトルにつくベティ作品があったよなあと思い出して本棚から引っ張り出してきたのが「咲かない薔薇」。

優秀な外科医のヒーローと、主任看護師ヒロインの組み合わせ。以前に不幸な結婚を経験したことのあるヒーローが、ヒロインに「男女の愛ではないけれど、君のことは好きだ」と便宜結婚を持ち掛けます。

便宜的に結婚してから、ヒーロー&ヒロインが愛情を深めていくというお話って、ベティ作品の中では好きなパターンかも。最後に「赤毛のアデレイド」のヒーロー&ヒロインもちらっと登場します。

ベティ・ニールズ選集20の冒頭には、この本を愛読しているというダイアナ・パーマーからのメッセージが。「彼女は世界中を、まるでわたしたちを住人とした心優しくて幸せあふれる小さな村のように思わせてくれます」という一文をはじめ、愛にあふれたメッセージ、感動的でした。この本は保存版。