レビュー

「侯爵夫人と呼ばれて」リン・グレアム★感想とあらすじ★

ハーレクイン文庫の新刊(2018年10月)にリン・グレアムが登場です。「侯爵夫人と呼ばれて」は2006年の初版、これまでも電子書籍で目にして読もうかなと思うことはあったんですが未読だった1冊です。
今回ハーレクイン文庫になって、表紙の女の子がかわいくて思わず「Renta!」で購読してしまいました。表紙のビジュアルって大事!
(これから読む方のお楽しみのために、ネタバレは控えめを心がけています。)

★☆☆☆☆
「侯爵夫人と呼ばれて」
リン・グレアム

侯爵夫人と呼ばれて【ハーレクイン文庫版】

ときどき読みたくなるリン・グレアム。
ドラマティックな展開と、感情豊かでときに怒りっぽかったり、理不尽にもなったりするヒーロー&ヒロインのかけあいが醍醐味ですよね^^。愛しているのに傷つけちゃう。そんな男女のすれ違いを描かせたら、右に出るものなし!というほどの、ロマンス界の大御所作家さんです。

【あらすじ】

トレーラーハウスの清掃係として働きながら、亡くなった異父姉の子どもを育てているソフィー。ある日、姉の夫の兄で侯爵であるアントニオが、子どもを引き取りたいと言い出して…。

わが子のように子どもを愛しているソフィーと、弟の子どもに責任を感じて、もっと安定した暮らしを送るべき譲らないアントニオは、2人とも子どものそばにいる方法として、契約結婚をすることに。

姉の結婚式で出会ったときから、実はお互いに惹かれ合っていたけれど、誤解からそれきりになっていた2人。かりそめの結婚生活を通して愛し合うようになるまでが描かれています。

【感想】

うーーーん、うーーーん。リンを読みたくなるときって、決して決して★5つのお話を読みたい!というときではないんです。リン・グレアム節との異名を持つ、男女のすれ違い、惹かれ合い、掛け合い、が読みたいんです。

「侯爵夫人と呼ばれて」はその3拍子がそろっている…はずなのに…ぜんぜんときめかないわ~><。残念!

裕福な家庭のマダムが浮気して生まれたこと、自分勝手な父親に振り回されながら育ったこと、育ちのいい異父姉との微妙な距離、子どもの頃の病気で子どもが持てない…とてんこ盛りのソフィーの生い立ちも、まるでセリフのト書きみたいにさらっと流れていっちゃって。

それを言ったらアントニオだって自分勝手な弟に苦労してきたのに、そのあたりはぜんぜんストーリーに活きてこなくって。そういえば「侯爵夫人と呼ばれて」というタイトルのような社交界でソフィーが苦労するみたいなエピソードもなかったなあ…。

ちょっと訳も、ぎこちなかったように思う…。

でも、パーティになじめないソフィーが一人でビリヤードをしているところに、アントニオが偶然通りかかって、見事な腕前にびっくり、という2人の出会いのシーンは、ちょっと印象的でステキでした♡

今回レビューしたのはこちら>>
タイトル:侯爵夫人と呼ばれて
作:リン・グレアム 訳:青海まこ
ハーレクイン

おすすめ!リン・グレアムPickup

ときどきふいにやってくるリン・グレアムあるいは鬼ロマが読みたい病(笑)が癒されなかったので、手持ちの本を読み返してみました。

・ナポリから来た恋人 異国の王子様Ⅱ
ナポリから来た恋人【ハーレクイン文庫版】

作:リン・グレアム 訳:藤村華奈美(ハーレクイン)

ヒロインのピッパは天才的に計算が得意で、大企業の財務部門でバリバリ働いている女性。やせっぽちでそこらの男性よりも背が高く、くせ毛が悩みというリン・グレアムにはちょっと珍しいタイプのヒロイン。新社長アンドレオに「身なりのだらしない女性」と誤解されてたピッパは、友人の助けを借りてドレスアップして新社長の就任パーティーへ…。

弟の数学の宿題を解くのを手伝っているアンドレオの間違いをさらっと直しちゃうピッパ、友人の夫と電話で話しているピッパのようすを見て、メラメラ嫉妬しちゃうアンドレオ、よかった♡

・ひと夏のシンデレラ 異国の王子様Ⅰ
ひと夏のシンデレラ【ハーレクイン文庫版】

作:リン・グレアム 訳:藤村華奈美(ハーレクイン)

こちらは夏のバカンスで出会って恋に落ちた2人のシークレット・ベビーもの。
親同士が交通事故の加害者と被害者になってしまい、別れたけれど…ヒーローにそっくりな男の子が、2人を取り持ってくれます。

・秘密
秘密

作:リン・グレアム 訳:久我ひろこ(ハーレクイン)

実業家ルークの愛人だったヒロインのキャサリン。ある事情からルークのもとを去るけれど、数年後に偶然レストランで再会。2人でいるときに転倒したキャサリンは記憶喪失になり、ルークの愛人だった2人に戻ってしまうけれど…という、こちらもシークレット・ベビーものです。

リン・グレアムは多作な作家なので、こばとの本棚にもまだまだあるんですけど、今回はいったんこのあたりでグレアム節に満足!