昔はこっそり読んでいたハーレクイン。(だってタイトルとか表紙がちょっと恥ずかしいんだもんー)今は夫の前でも堂々と読んでいます!
仕事の同僚にも、「趣味はハーレクインを読むこと」とカミングアウトしてみたりして。でもみんな意外とハーレクインって名前は聞いたことがあるけれど、どんなものかよく知らないんですよね。
ロマンス小説は女の暇つぶし?いやいや意外といろんなことが見えてくるから面白い
ハーレクインの誤解
ロマンス小説の老舗タイトルハーレクイン。最近は日本人漫画家によるコミック版のほうが人気なのかな?(こばとは小説とコミック、どっちも愛読しています)
Hなやつでしょ?って言われることもあるけれど、プラトニックな作品からかなりホットな描写のものまでさまざまです。
普通の女性が大富豪と結婚などのいわゆるシンデレラストーリーが定番。ヒストリカルと呼ばれる時代劇から、現代ものまであります。
ちなみにハーレクインは2019年で40周年。20年以上前のタイトルがリバイバルで登場することも多いです。携帯もインターネットも出てこないし貞操観念も今とはかなり違うので古典っぽくなったりしていますが、大丈夫。良質なロマンスは時代を超える魅力があります。(もし違和感を感じたら初版の年月日を確認してみて)
ハーレクインは暇つぶし?
ハーレクインはいわゆるペーパーバック、暇つぶしに読むものではあるのかなと思うんです。
こばとも読み始めた一番の理由は、子育てでドラマや映画を観るようなまとまった時間は取れないけれど、軽い本ならすき間時間にちょっとずつでも読めるから。
ロマンスなので「ときめき」を一番の目的に読んでいるわけですが、でもね。
単なる娯楽と思いきや、意外な発見や気づきがあって面白いんです。
今回はそんな視点からハーレクインを紹介してみたいと思います。
ハーレクインで分かったその1
日本の主婦はかなり料理に手をかけている
こばとの周囲が結婚ラッシュだった30代前半ころ、周囲でちらほら聞いたのが「共働きなのに晩御飯で一汁三菜を求められている」という悩み。
この間一回り年下の妹も友達から相談されたというので、今もわりとよくあるんだと思う。「おふくろはおかずをいろいろ作ってくれたから、それが当たり前だと思っていた」というケース、母親が専業主婦だった旦那さんに多いらしい。
でも今は結婚しても仕事を続ける女性が多いから、なかなか平日の夜料理に時間をかけられないのも当然です。
しかしハーレクインを読むと!!
日本女性はいかに料理に時間をかけていることか、と気がつくのです。
だって、ハーレクインには玉の輿に乗る女性がごまんと登場するにもかかわらず、料理で男の胃袋をつかむみたいな発想はほとんどない。
ベティ・ニールズの「薬指にこめた祈り」では、仕事のあとでヒロインがなにか作りましょうかってオムレツを作るシーンがあって、ヒーローは感謝しきりで食べて大満足。でも日本の主婦だったらなんとなく、サラダとトーストとかつけなくちゃって思ってしまいません?
ちなみにベティ・ニールズの別の作品にはたしか、ヒロインがチーズ・トーストを作ってヒーローが「君って料理ができるんだね」と感心するシーンもあったような気がします。うちの小学生の子どもだって作るよ!とつっこみたい。
イタリア人医師とイギリス人看護師の一風変わったシークレット・ベビーものサラ・モーガンの「プロポーズは強引に」ではヒロインがどや顔でヒーローにスパゲッティの茹で方を教えるというシーンが登場。
シングルマザーと医師の山岳救助隊もの「雪原で誓いのキスを」では、ヒロインのおうちのピザパーティに招待されたヒーロー、ピザにトッピングしてオーブンに入れているシーンだけでアットホームさにノックアウトされちゃうし。
リンダ・ハワードの「ゴージャス・ナイト」でヒロインが警官のヒーローに差し入れしたのは、クリスピークリームドーナツを砂糖と卵につけたブレッドプディング!!(甘党なのでちょっと食べてみたい気もしちゃう)
「あの夜を探して」ではヒロインが奥さんを失くした年配の男性を夕食に招待するんだけど、それでさえメニューはポークチョップとさやいんげんのソテーでした。←シンプル!
さあさあ、今日も晩御飯の献立に悩んでいる奥さん、ふだんからこんなに料理をがんばっているのはわれわれ日本の主婦くらいみたいですよ。自信を持って、肩の力を抜いて、手抜きしながらいきましょう~。
ハーレクインで分かったその2
イタリア男は家族を愛す
ハーレクインってアメリカ・イギリス・オーストラリア人のヒロインが多いのだけれど、イタリア人・ギリシャ人のヒーローが大人気。
どうやら彼らは家族愛が強いらしく、たとえ一夜の関係でうっかりできた子どもでも熱望→子どものために結婚しよう→いつのまにか愛が芽生えた …とハーレクインではなったりします。
前述の「プロポーズは強引に」のヒーローもイタリア男。病気で子どもが持てなくなったと(勘違いして)、以前に精子提供した女性と子どもを探し出し、シングルマザーだと知るや結婚を迫るというストーリーです。こう書くと突飛な設定に思えるけれど、子どもに愛情を注ぐうちにヒロインの魅力にも気づいていくヒーローが、いいんだな♡
ルーシー・ゴードンの名作「帰らざる日々」には孤独なイタリア人ヒーローが子どものころ雇われていた料理人を「ノンナ」と祖母代わりに慕うシーンが登場。こういう脇役の存在が、ハーレクインの物語に深みを出してくれるんですよね~。
ハーレクインで分かったその3
強いアメリカと銃社会
少し前の話ですが大統領選でトランプさんが勝ったという速報を聞いたのは職場でのこと。。同僚が「ええ、まさか…」とすごくショックを受けていたのを覚えています。
でもちょうどそのころリンダ・ハワードの小説を読み漁っていた私は、腑に落ちる部分もあり。