どちらかというと、コミックよりも小説派なのですが、この人のコミカライズは欠かさず読みたい!という作家がさちみりほさん。
絵もきれいだし、コミック化する際のストーリーのアレンジもばつぐんに上手!
(ハーレクインコミックスって1冊130Pと短いので、作家さんのアレンジ力がものを言うんですよ~!!)
★★★★☆
「壁の花の叶わぬ恋」
作:さちみりほ/ジョージ―・リー
(ハーレクインコミックス)
Renta!で2018年10月に読みました。たしか8月頃にハーレクインライブラリで原作が98円にラインナップしていたので、きっとそのころに電子書籍版もリリースだったのかしら…気がつくのが遅れてしまったかんじ。*2019年8月に「ロマンスライブラリ」からサイト名が変更になりました。
【あらすじ】
女学校の玄関先に捨てられ、そこで育ったジョアンナ。19歳になり、住み込みの家庭教師として働くことになったけれど、主一家からは見下され、つらい日々を過ごしている。
ある日、付き添いとして参加した舞踏会で出会ったルークに助けられ、惹かれ合うけれど、彼は伯爵家の次男。兄夫婦が子どもに恵まれないため、名家の子女と結婚し、伯爵家を継がなくてはならないという立場で…身分違いの2人の恋の行方は?
【感想】
貴族のヒーローと結ばれるには、身分の低い家庭教師という立場で、しかも親の名前も分からない孤児で…という逆境ヒロイン。でも、あるきっかけからヒロインの身元が明らかになり…という、シンデレラ・ストーリーです。
ちなみにこちら、原作も読みました。冒頭は面白そうだったんですが、かなり前半で展開が読めちゃうんです。そのせいで、後半は飽きてしまいました。 ★★☆☆☆ かなあといったところ。
でも、さちみりほさんのコミック版は即買い&買って正解。★★★★☆です。
まず、孤児で家庭教師というヒロインのたたずまいが愛らしさたっぷり♡
ヒーローは、表紙を見た瞬間かちょっとあれ?っとイメージとはちがったんですが…線の細い感じの美形さんでしたね。
設定は、軍に自分の居場所を見つけた伯爵家の次男坊。軍人さんということで、(個人的には)もちょっと骨太な感じの男性がイメージだったんですが…。でもまあ次男(いわゆる貴族の跡取りの、予備の男の子)ぽさ、弟っぽさという点ではしっくりしてたかも?
原作を要所要所でアレンジしながらも、物語の軸となるヒーローの葛藤・ヒロインのシンデレラストーリーはそのまま、アレンジすることで主題が引き立てられているといっていいくらいで、さすが!!でした。王道&上質&飽きさせないロマンスに仕上がってます。
ヒストリカルに興味があるけれど、ちょっと重たいかなあとためらっている人には、さちみりほさんのコミック版から入るのがおすすめ!
(あ、でも、小説版には、コミックで割愛されたお兄さんのエピソードがあります!お兄ちゃん夫婦も小説版では…。気になるかたはぜひチェックを)
さちみりほの、これ読んだ?
さちみりほさんの描くヒストリカルって、本当に面白い作品ばかり。
元気なヒロインも控えめなヒロインも、とっても魅力的に描いてしまうのがすごいところです。
「壁の花の叶わぬ恋」は逆境に耐える清楚なヒロインのシンデレラストーリーでしたが、トーンが近い作品をあげるとしたらこちら。
素行の悪い双子の妹に変わって、借金のかたに侯爵と結婚するのは、清純ながらも賢いヒロイン。領地を顧みない侯爵の留守中に、女主人として手腕をふるうシーンは、まるで映画のワンシーンのように爽快です!